アイドルの写真を撮るカメコをやっていますが、私はレタッチをするべきだと考えています。
「撮って出しの方が早くて楽だし何が悪いの?」「そもそもレタッチが分からなくて面倒」という意見を実際に頂いたことがあります。
もちろんここは趣味の範囲内ですし、誰も強制は出来ないというのが事実です。
それでも私は考えを変えるつもりはありません。本サイトでは一貫してレタッチすることを強く勧めています。
アイドルという相手がいるからという理由に凝縮されると思いますが、もう少し具体的に考えていきたいと思います。
予めお断りしておくと、この記事は写真の上手い/下手や画質の良し悪しについて論じるものではありません。
そもそも何故撮影OKなのか?という考察
まずは=LOVEにおけるポリシー「カメコ席・カメコタイム時についてのご案内とお願い」を見ておきます。
=LOVE・≠MEのコンサートでは、お客様にSNSなどで積極的に拡散していただき、ご来場できなかったお客様や、まだ=LOVE・≠MEを知らない方に魅力を伝えていただけるように、公演中に一部「カメコタイム」というお客様がステージを撮影可能な時間帯を設けております。(抜粋)
本来、アイドルのライブ写真を発信するという目的であれば、オフィシャルカメラマンによる写真を各媒体が展開すれば目的は果たされるはずです。
この広報をファンに一部委ねるということは、運営からすれば素人が撮影した写真を事務所チェックも通さず、SNSに発信される行為を一部許容し「撮らせて頂いて」いるということです。
運営やタレント本人からすれば、これは常にリスクをはらんでおり、ファンの良識に委ねているという点は留意したいです。
ということは、撮影側の良識がなく、マイナスプロモーションに繋がるような写真が増えれば、運営の一存でカメコ席を撤廃するということはあり得るはずです。
このマイナスプロモーションになる写真を考えると、まず社会通念上許されない写真は絶対にダメでしょう。半目とか下着が見えているなど…
選別についての考えているポイントは以下にまとめていますので併せてご参照ください。
ではマイナスプロモーションの要因について引き続き考えていくと、本記事のテーマである、レタッチのされていない撮って出し写真については、歓迎されるべきものではないと考えています。
なぜアイドルカメコで撮って出し写真を避けるべきなのか?
厳密に言えば「アイドルを被写体とした写真をSNS等で発信するなら、撮って出しをする意味がわからない」という気持ちです。
他ジャンルの発信であればともかく、本項で考えたいのは「アイドル」の写真であるということです。
アイドルも人間であり、その時々のコンディションの変化はあります。写真は良くも悪くもその一瞬を切り取ります。
1枚の写真は、時に映像以上に雄弁に物語ると思います。とすると、アイドル本人にとって隠しておきたい部分も誇張されるリスクは存在するはずです。
例えば肌の調子が悪い時に高解像度のカメラで撮って出しをされると、受け手は恣意的に画像を拡大し、本人の意図しないところで心象を悪くする可能性があります。
もし被写体のアイドルのことが本当に好きで、その魅力をプロモートするのであれば、そっとレタッチをするのが筋ではないでしょうか。
それでも、撮って出しに拘る一定勢力はいると考えています。まずそういった方々に多い考え方が「速さ」「速報性」の担保だと思います。
確かに撮って出しをすれば工程は楽だし速いです。選別さえ適切に行えばあとは写真をアップするだけです。
しかし、その速さは一体誰のためにあるのでしょうか?
本人のためだと思うなら、先述の通り本人の隠したい部分を写してしまうリスクがあり、歓迎されないはずです。
ファンや潜在層への魅力発信のためだと思うなら、それは再考すべきだと思います。むしろ本人の意図しない要素が拡散されるリスクもあるはずです。
自己満足のためであれば、それは否定しないので、SNSにアップせずご自身のフォルダにそっとお収め頂くのが宜しいかと思います。
また、撮って出しをするもう一つの理由として、「レタッチするのは本来の良さからかけ離れてしまう」「自然な写真が最も良い」という写真原理主義発想であると想像します。
これは…やはりアイドル本人やスタッフ、ファンがいる以上、アウトプットされる結果が全てだと思います。
特に本人からすれば、レタッチをせず素材そのものを出すことは重要なのでしょうか?最終的にどう見えるか、しか重要ではないと思います。
以上、これらは自己中心的でありデリカシーのなさを煮詰めた不要な拘りだと私は考えています。
私はカメラ歴も浅く、素人が趣味でやっているだけなので、古くからある写真界における掟や歴史的な経緯については何も分かりません。
諸先輩方の作ってきたカメラ趣味の奥深さについて、全てを否定するつもりはありませんが、アイドルカメコの時代の要請は存在すると私は思います。
もしこれらの拘りを捨てられないのであれば、やはりご自身のフォルダにそっとお収め頂くのが宜しいかと…。
レタッチをするポジティブな理由
さて、ここまで撮って出しを避けるべきネガティブな理由について述べましたが、レタッチをするポジティブな理由もあると思います。
レタッチをすることで隠したい部分を隠す…という面もありますが、一方で写真やアイドル本人がもつポテンシャルを最大限に引き出せるという考え方ができないでしょうか。
接触イベントなどで本人から聞く限り、アイドル本人はこれを「盛れている」という価値観で見ているかと思います。
ここまで書いておいて覆すことを言いますが、本人から見て「盛れて」いれば究極レタッチの過程は関係ないと認識しています。
しかし、例えば高画素機で上げるようなカメコの撮って出しは、本当に盛れているのか?という点は常に意識しておきたいです。
最初の話に戻ると、広報的役割をファンに一部委ねているわけですから、被写体の魅力を最大限に引き出した写真こそ歓迎されるべきではないでしょうか。
また、1枚の写真は、時に映像以上に雄弁に物語ると思います。究極に仕上がった写真は、本人やまだ見ぬファンに新たな気付きやきっかけを与え得ると信じています。
もし、ここまでのレタッチの重要性を読んだ上で、それでも「速さ」に拘りたいということであれば、レタッチの全ての工程を最適化し、鬼のような研究と練習を重ね、最速で最高の写真を仕上げれば良いと思います。
自分もまだまだ未熟であることを承知の上ですが、私はカメコを始めた初期はSNSに上げないものを含めて、年間5000枚は現像して練習していたと思います。
また技術的なハードルがあってレタッチを断念してきた場合は、以下に筆者が実践する基本的なLightroomのレタッチフローを記しましたので、参考にしてみてください。
もしアイドル本人がこれを読んでいたら(結びに代えて)
いつも私たちに夢と希望を与えてくれてありがとうございます。我々にとってあなたは本当に尊い存在です。
この記事について、「レタッチをしないとアイドルの魅力が引き出せない」ということを言いたいわけではありません。
カメコはオタクの中でも特に好きをこじらせた存在なので、カメコの数だけ思惑やこだわりが存在します。
もしかしたら…この記事から得たものをカメコ本人にあなたの口から伝えると、思わぬ波紋を呼んでしまう可能性があります。(自分含めそれくらいカメコは面倒くさい存在です)
あ〜こういう考えもあるんだな〜くらいに思って頂くのが良いんじゃないかと。
繰り返しになりますが、本人にとってネガティブな気持ちになったり、意図しないところで悪評が広まるような写真の可能性は極力なくしていくべきだと思います。
特定の界隈やアイドルグループを指すわけではありませんので、そこはご理解頂けますと幸いです。
アイドルのライブ写真を撮影するカメコを4年ほどやっている重度のオタクです。年間30万枚以上は撮影しています。今まで得た経験や知見をもとに初心者でも分かりやすい情報を発信していきます。
STU48の石田千穂ちゃんが推しメンです!
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