筆者はアイドルのライブ撮影が好きすぎて、年間30万枚は撮っています。
その中でも「どのレンズを使えばいい?」「ズームレンズより単焦点の方がいいの?」という質問はよく受けます。
ライブ撮影という環境下でアイドルを綺麗にはっきりと写すには、各メーカー限りなく上位のレンズであることが望ましいです。
前回の記事ではライブ撮影に適した望遠ズームレンズのラインナップを紹介しました。
今回はその続きとして、ライブ撮影に使える望遠単勝点レンズのラインナップを紹介していきます。
購入の際の比較や、レンタルする際の選択肢のためにブックマークして頂けると嬉しいです。
単焦点レンズとズームレンズの違いは?
本記事では単焦点レンズに絞って紹介していきます。
その前に、初心者向けのおさらいとして単焦点とズームレンズの違いについて触れておきます。
- ズームレンズ…ズーム機構をもつレンズ。焦点距離を移動させながら撮影できる。
- 単焦点レンズ…ズーム機構を持たないレンズ。焦点距離を変えるには自分が動く必要がある。
ここでいうズーム機構とは、レンズの中の構造という理解でOKです。つまり、単焦点レンズは機能上ズームが出来ません。
では単焦点レンズの意味は?と思うかもしれませんが、単焦点レンズはズーム機構を持たない分、レンズの構成をシンプルに設計できます。
したがって、設計された焦点距離に対して明るさを最適化できるため、明るいレンズが作成できます。
これはF値が低いレンズ=明るいレンズとも言い換えられるのですが、こういったレンズは非常に高価です。
一方、ズームレンズは構造が少し複雑な分、単焦点ほど明るく設計できないものの、単焦点と比べたら安価な場合が多いです。
そして当たり前ですが、ズームレンズの最大のメリットはズームが出来ることです。
アイドルのライブを撮影するにあたり、最初はステージの距離感や感覚が掴めないことが多いので、もしこれからカメコを始める方に「ズームレンズと単焦点ではどちらがおすすめ?」かと聞かれたら、私なら「ズームレンズ」と答えます。
と、ここまではズームレンズに軍配が上がりそうなところですが、単焦点レンズにはこれらズームや価格のハードルを楽に超えてくるであろう描写力の魅力があります。
推しのことが好きで好きでたまらなくて、推しのことしか見えない究極の腹のくくり方をした時に、単焦点レンズはその期待に応えてくれると思います。
ということで本記事では、ライブ撮影を行うカメコに適した単焦点レンズを挙げていきます。
マウントの違いとは?古いレンズは使えない?
こちらのマウントの違いについてもおさらいしておきます。
例えばCanonであれば、EFマウントとRFマウントがあります。(EF-Sは本稿では取り上げないので割愛します)
現在主流となっているミラーレス一眼に対応したレンズはRFマウントとなります。
一方、EFマウントは一眼レフ機時代に作られたレンズであり、ミラーレスには対応していません。
しかし、EFマウントでも優れたレンズが多く、一世代前のレンズということもあり、比較的安価に入手することができます。
これらの考え方は各社同様で、3大メーカーのマウントについては以下の通りです。
- Canon…EFマウント(レフ機)/RFマウント(ミラーレス)
- Nikon…Fマウント(レフ機)/Zマウント(ミラーレス)
- Sony…Aマウント(旧デジタル一眼時代)/Eマウント(ミラーレス)
では、ミラーレス機で古いマウントのレンズを使用したい場合ですが、マウントアダプターを装着すれば使用できます。
マウントアダプターはメーカー純正のものから社外品のものまで数多く出回っていますが、粗悪品も多いです。可能であれば純正品を使用することを強く推奨します。
なお、マウントアダプターの世界はかなり奥深く、細かい解説については他の方に譲ります…。
対象レンズとボディによって無限にパターンがあるため、初心者でカメコをする場合については、以下のポイントだけ軽く頭に置いていただければOKかと思います。
・AFの動作が遅くなる
・手ぶれ補正が効かなくなることもある
繰り返しますが、レンズや非純正のマウントアダプターによっては予期せぬエラーが起こる可能性があり、ここでは割愛します。
ライブ撮影におすすめ単焦点レンズ
では、ライブ撮影を行うカメコにおすすめの単焦点レンズを挙げていきます。
今回挙げるレンズについて、基本的にはホール規模の会場を想定しています。(ライブハウス等のキャパは割愛します)
商品名 | メーカー | カメラのキタムラ在庫 | 価格(記事更新時) | 対応マウント | 焦点距離 | F値 | 重さ | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
RF400mm F2.8 L IS USM | Canon | 在庫を見る | ¥1,509,600~ | RFマウント | 400mm | F2.8 | 約2890g | 2021年7月 |
RF600mm F4 L IS USM | Canon | 在庫を見る | ¥1,604,400~ | RFマウント | 600mm | F4 | 約3090g | 2021年7月 |
EF300mm F2.8L IS II USM | Canon | 在庫を見る | ¥503,500~ | EFマウント | 300mm | F2.8 | 約2350g | 2011年8月 |
EF400mm F2.8L IS III USM | Canon | 在庫を見る | ¥1,190,200~ | EFマウント | 400mm | F2.8 | 約2840g | 2018年11月 |
EF600mm F4L IS III USM | Canon | 在庫を見る | ¥1,011,200~ | EFマウント | 600mm | F4 | 約3050g | 2018年12月 |
NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S | Nikon | 在庫を見る | ¥1,529,600~ | Zマウント | 400mm | F2.8 | 約2950g | 2022年2月 |
NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S | Nikon | 在庫を見る | ¥1,970,100~ | Zマウント | 600mm | F4 | 約3260g | 2022年11月 |
AF-S NIKKOR 300mm f/2.8G ED VR II | Nikon | 在庫を見る | ¥270,600~ | Fマウント | 300mm | F2.8 | 約2900g | 2010年1月 |
AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR | Nikon | 在庫を見る | ¥1,421,140~ | Fマウント | 400mm | F2.8 | 約3800g | 2014年8月 |
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR | Nikon | 在庫を見る | ¥1,060,000~ | Fマウント | 500mm | F4 | 約3090g | 2015年7月 |
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR | Nikon | 在庫を見る | ¥755,400~ | Fマウント | 600mm | F4 | 約3810g | 2015年7月 |
FE 300mm F2.8 GM OSS | Sony | 在庫を見る | ¥790,100~ | Eマウント | 300mm | F2.8 | 約1470g | 2024年2月 |
FE 400mm F2.8 GM OSS | Sony | 在庫を見る | ¥1,566,180~ | Eマウント | 400mm | F2.8 | 約2895g | 2018年9月 |
FE 600mm F4 GM OSS | Sony | 在庫を見る | ¥1,663,400~ | Eマウント | 600mm | F4 | 約3040g | 2019年7月 |
単焦点レンズ+テレコンという運用
上記の通り、単焦点レンズは非常に高価なのと、デカすぎるという点から、ライブで複数本所持して運用するのが現実的でないケースがほとんどです。
(一部これらの常軌を逸したイカれたカメコもたまに見ますが、一旦考えないことにします)
したがって、300mmF2.8(通称:サンニッパ)1本だけだとステージまでの距離が足りない!というケースは出てきます。
その場合、多くのカメコはテレコンバーター(テレコン)を着けることで焦点距離を補うようにしています。
テレコンには1.4倍と2倍のものがあり、焦点距離を1.4倍または2倍に伸ばすことが出来ます。
例えば300mmのレンズに装着すると420mm、または600mmの焦点距離に化けるということですね。
一方、テレコンを装着すると開放絞り値(F値)が大きくなります。1.4倍テレコン装着時は1段分、2倍テレコン装着時は2段分暗くなります。
またテレコンを着けると性能が落ちるという定説もありましたが、以下の記事によると最近はそうでもない、というのがニコンのインタビューにもあります。
もしくは、テレコンで明るさや性能を犠牲にしたくない場合、高画素機+単焦点レンズの組み合わせで、トリミングを前提とした運用をするカメコもいます。
友人のカメコではR5+300mmF2.8という組み合わせで、撮り方を工夫して推しを捉える、という運用方法を実践しています。
レンズが欲しい!けど高い!解決策その①:ショッピングクレジットで購入する
そうは言ってもレンズはめちゃくちゃに高いです。
しかし「ときめいたら買え」「値段で迷うくらいなら買え」という名言(?)があるように、カメラやアイドルを趣味にしている以上、どうしても欲しくなるものです。
これホンマに解決策か?というツッコミは置いといて、カメラのキタムラのショッピングクレジットで購入するというのも手です。
分割60回払いで、分割払手数料0円のため、120万のレンズが月2万ということは実質無料という、カメコの伝統の教えもあります。
※ご利用は計画的に、自己責任でお願いします。
また、高価なレンズは資産価値が高く、売る時にも相応の値段がつくため、高いレンズも迷わず買い、使わなくなったら売る…を繰り返すツワモノもけっこういます。
※お買い物の鉄則は「ときめいたら買え」ですが、ご利用は計画的に、自己責任でお願いします。
レンズが欲しい!けど高い!解決策その②:レンタルサービスを利用する
それでもやはり高い!いきなり買うのは怖い!と思うはずです。
購入するのに予算や準備期間が必要ということであれば、機材レンタルサービスを活用して試してみるのもおすすめします。
レンタル機材サービスのAPEX
機材のサブスクならGOOPASS
特にレンズについてはこのシチュエーションだけ使いたい!という場面も多いので、計画的にレンタルしていくのも手です。
ただし、レンタルの回数が多すぎると、リセールバリュー込みで考えると買った方が安かった!というパターンもありますので、計画的に利用しましょう。
アイドルのライブ写真を撮影するカメコを4年ほどやっている重度のオタクです。年間30万枚以上は撮影しています。今まで得た経験や知見をもとに初心者でも分かりやすい情報を発信していきます。
STU48の石田千穂ちゃんが推しメンです!
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